MD×データ
サイエンティストによる
仮説と分析
部署横断プロジェクトvol.2
今年の4月に満を持して発足したデータ戦略室。GLADDのデータドリブンを推進するために、マーケティング部のデータ分析チームから1つの部署に昇格した。ビッグデータを扱い、部署戦略から経営にまで関わる広い分野で活躍が期待されるデータ戦略室と、GLADDの営業最前線を担うマーチャンダイザー(MD)に、今後について話してもらった。
MEMBER
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澤近将海
バイイング&マーチャンダイジング部 マーチャンダイザーマネージャー
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西野孝昭
データ戦略室 シニアデータアナリスト
仮説と分析
MDとデータ戦略室の関係
- 西野
- データ戦略室はできたばかりの新しい部署です。今まで蓄積されたビッグデータを利用し、ビジネスインパクトのある分析をして今後の戦略に落とし込んでいくというミッションを掲げています。
- 澤近
- 新設部署だし、まだ慌ただしい毎日だよね。MDとしては、前身のデータ分析チームから独立したことで、僕たちが日々ブランドとの間で考えている仮説実証の精度を上げていけるだろうと、期待しています。
- 西野
- プレッシャーもあるけど(笑)、是非、ご相談ください。今はGLADDが創立当初から蓄積した膨大なデータを整理して、数字を目的に合わせて切り口を整えるという環境整備をしています。いわゆるデータ基盤構築ですね。今後は、分析のスピードはもちろん、精度も上がっていくと思う。
- 澤近
- MDサイドとしては、今までの環境は特にユーザー分析が弱かったと思う。MDの業務上、対ブランドや商品にフォーカスしがちで、別の角度からデータを見る役割が必要だと思っていたんだよね。売上などの数値の推移を見ると僕たちは商品をメインに考えてしまいがちで、ユーザーが与える影響という部分が不足していたと思います。

- 西野
- 逆にデータ戦略室から見ると、MDの皆さんのように営業の最前線でブランドと話ができるというのは魅力的だと思う。アナリストというのは、気がつくと内にこもりがちで、外からの意見が入りにくかったりするから。ブランドからの情報は、データで見えてきた数値をどう読み解くか実証のヒントになることもあるしね。良い分析には情報の量と質が必要だと思う。
- 澤近
- なるほど。アナリストと比べてMDは、まだ状況を感覚的に捉えている場合が多いと思う。データ戦略室に分析をお願いする際に、リクエストの範囲と目的は明確にすべきかなと。例えば、商品の売れ行きに影響を与えた要素は、ブランドと実際に話している自分たちが見当をつけるべきだと思うんだ。仮説と分析のスタートを切るのはMDの役割の1つだけど、問題に対するアプローチがロジカルかつ明確でないと精度の高い結論はでないしね。
- 西野
- たしかに。数字を判断するための要素は、お互いにコミュニケーションをとって推敲していくのもいいと思う。お互いの仕事を理解するために、どれだけ話せるかが重要かな。それに数字は、見せ方によって印象がかわるものなんですよ。よく数字は平等なものでしょって言われるんだけど、極端に言うと、誰かに都合がいいように見え方を変えることだってできる。データ戦略室はCOO直下に開設されているので、間違った解釈は経営のミスジャッジにもつながりかねないと思うんです。そんなミスを防ぐためにもMDの意見が大事ですよ。

成長を加速させる!
あるべき分析の形
- 澤近
- そういえば、最近お願いした靴と靴下をテーマにした、一定の商品同士の組み合わせに関する売れ行きの推移や効果に関してはどうでした?
- 西野
- まずは靴単体で売った場合と、靴と靴下両方の組み合わせで売った場合の効果の比較を検証しているところですね。こういった仮説や需要予測は大切なので、積極的に取り組んでいく予定です。単純に数字だけ見ていても正しい答えは出ないので、まずはサイト上のセールバナーにあった商品の要素を係数として数値していくことが必要です。各要素の影響力をプログラミングや機械学習などを使って定量的に使える状態にする事で分析もしやすくなり、MDの質問にも素早く回答ができるようになるし、さまざまなビジネスの問題にも数字を利用していくことができるようになると思う。
- 澤近
- なるほど。情報整理をしていかないと僕たちの仮説もどんどん増えていく。数ある仮説の中で、どこに分析を入れるかという判断についても相談したいな。利用価値の高い仮説の結論を多く持つことが、ブランドに対してのメリットにつながると思うし、ゆくゆくはサイトのユーザビリティにも影響を与えると思う。

- 西野
- そうだね。ブランドに対してはもちろん、ユーザーに対しても、そしてそれらを担うGLADDの成長にもデータを生かしていきたい。データ戦略室は今後、GLADDの数字を統括してデータのハブ的な役割を担っていくはず。さまざまな部署から集まった数字を蓄積・加工して、各部署に価値ある情報として戻していくような、良い循環を築いていきたいと思います。
- 澤近
- 1つ夢を話してもいいかな。GLADDは、現状フラッシュセールをビジネスとしているけれど、今後はそれ以外の売り方も定義していきたいと思っている。それには、現在のビジネスにおける数字がとても重要になるはずなんだ。データ戦略室のバックアップを受けて、将来挑戦したい夢にも現実味が帯びてきたと思わない?
- 西野
- もちろん。だからこそ、がっつり協力しますよ!ファッション業界で経験を積んだMDがこんなに在籍するのは、会社の財産だと思う。そこに分析が加われば、会社の成長力が加速できると信じてます!
- ※ この記事は2017年7月に作成しました