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【Tech Team Blog】la belle vieになぜプロダクトチームがあるのか

2023.06.27

こんにちは。TS&I部ディレクターの野口です。

前回までプロダクトマネージャに対する期待値や実務的な話を書いてきました。今回はla belle vieにプロダクトマネージャのチームであるプロダクトチームがあるのかについての話です。

サービス開発のマネージメント

サービス開発におけるマネージメントは以下の4つに分類できます。

1. プロジェクトマネージメント(PjM)
2. プロダクトマネージメント(PdM)
3. ピープルマネージメント(EM)
4. テクニカルマネージメント(Chief Architect / CTO)

PMBOK 第6版までの10の知識エリアとはまた違った切り口ですが、最近のサービス開発のマネージメントという側面ではこの4つの分類がわかりやすいかと思います。それぞれ、いつ作るか(どの順番で進めるか)・何を作るか(なぜ作るか)・誰がつくるか・どうやって作るかをマネージメント対象にしています。最近だとProduct Marketing Managerということで機能そのものをどう市場で売っていくか(広げていくか)という部分に取り組むマネージャもいます。ただ、la belle vieの場合は現在のところGILT/GLADDというECサービスを中心にしているため、機能を売るよりも商品をより良い形で販売する(≒良い購入体験を提供する)という側面が強いためPMMは置いていません。

以前だとプランナーと呼ばれる人が実現したいものやスケジュールを定義しエンジニアが実現するというチームのように一人の人が複数のロールを兼務することが多くありましたが、最近では各ロールとも専属の人を置くようになってきました。その理由としては、

・サービスが複雑化し複数のロールをまたいで担当することが難しくなったため
・それぞれのマネージメント分野が複雑化しそれに特化したマネージメントが必要となったため
・それぞれの分野に特化した人を採用し、効率よく開発を進めていくため
・複数のスキルを育成するより一つに特化したほうが育成コストが下がるため

など組織によって考え方が異なります。

なぜプロダクトマネージャが必要なのか

では、なぜプロダクトマネージャが必要なのでしょうか?

それは「サービスが複雑化していく中で実現するものの姿を定めることがむずかしくなった」からです。とても抽象的な表現ですね。言葉を選ばずもっと具体的に言うと、「いろいろ作ったものの数字に跳ね返ってるかどうかもわかんなくなったし、本当にこれが必要だったかもわからなくなってきたからなんとかしようとした」ということです。あの有名な「顧客が本当に欲しかったもの」の絵のようなことが現実に起こってしまったからそれを防ぐためにプロダクトマネージャが必要になったわけです。

サービス開発において機能をガンガン開発したけど思った以上に数字伸びないなっておもったことありませんか?正直自分はこれまでのキャリアの中で少なからずあります。会議室ではもりあがってこれはいける!となっても実際にリリースしてみると数字が今一つ伸びないこともあれば、ひどい場合にはサービス開発者としてSNSで罵詈雑言を浴びせられたこともあります。(この辺は特殊な環境もあるかとおもいます。基本的にSNSで罵詈雑言を浴びるようなことは稀です。念のため。)

ステークホルダーからの「なんかちがうんだよね」問題やユーザーから何かにつけて「改悪だ」といわれる問題はサービスを自社で開発し展開している組織においてはある程度付き合っていかなければならない問題です。その付き合い方の一つとしてプロダクトマネージャを中心にした関係者を巻き込んだコミュニケーションや誰かの考えに頼るのではなく客観的指標を持って情報整理したり、仮説検証を経た精度の高いプロダクトマネージメントが求められています。

なぜプロダクトチームが必要なのか

では、なぜチームである必要があるのでしょうか?

弊社ではGILT/GLADDをはじめとする複数のサービスを複数のデバイスで展開しています。加えて一般のユーザーには見えないベンダー向けのポータルなども開発しています。それぞれにおいて機能の矛盾をなくすことやブランド感の統一を図るためにプロダクトマネージャ同士の横のつながりを強く持たなければなりません。そのためにも組織体としてのプロダクトチームがあります。

プロダクトマネージャは一つのプロダクトに専念すべきの考え方もありますが、プロダクトとデバイスの組み合わせが多いことやそれぞれのサービスが生み出された経緯が違うこともあり、それぞれの特性を掴むためにもla belle vieのプロダクトマネージャは複数のサービスを担当し誰がどのサービスにおいても一定のプロダクトマネージメントができるようにという環境を目指しています。

とはいえ、実際のアサインは得意不得意もあるのである程度考慮した上でのアサインをしています。将来的には全員どのポジションにでも入れるようにはしていきたいと考えています。

まとめ

プロダクトマネージメントはユーザーに寄り添いすぎてもうまくいきませんし、社内の都合を押し通してもうまくいきません。客観的指標や仮説検証を進めることでよりよいプロダクトを目指していきます。ある意味、人の意見に左右されるのではなく客観的に証明できることを中心に考えを構築する中立性をもとめられるポジションではあります。

わたし自身、前日のアイデアが翌日形になっているような熱狂も事業のフェーズによっては必要だとは思いますが、それだけでは戦っていけないのが最近のサービス開発だと感じています。熱狂の中の冷静さを保つためのポジションとしてプロダクトマネージャという存在があるのだと考えています。

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